共有名義の兄弟が亡くなったら?持分の行方と、共有者が増える前にやること
兄弟で共有していた実家。その兄弟の一人が亡くなったとき、亡くなった兄弟の持分は、ほかの兄弟ではなく、その人の相続人に引き継がれます。
持分は、亡くなった兄弟の家族に相続される
たとえば、兄と弟が2分の1ずつ共有している実家で、兄が亡くなったとします。兄に妻と子どもが2人いれば、兄の持分(2分の1)は、原則として妻と子どもたちが相続します。
その結果、弟から見た共有者は「兄」から「兄の妻・甥・姪」の3人に増えます。
| 亡くなる前 | 亡くなった後 |
|---|---|
| 兄 1/2、弟 1/2 | 弟 1/2、兄の妻 1/4、甥 1/8、姪 1/8(法定相続分の場合) |
共有者が増えると、なぜ困るのか
家全体を売るには、共有者全員の同意が必要です。共有者が増えるほど、次のような問題が起きやすくなります。
- 甥や姪とはほとんど面識がなく、話し合いのきっかけがない
- 遠方に住んでいる、連絡先が分からない
- さらに次の相続が起きて、共有者がどんどん増えていく
「兄とは話がつきそうだったのに、兄が亡くなって話が振り出しに戻った」というのは、共有名義でよくあるパターンです。
相続人がいない場合は?
亡くなった兄弟に相続人がいない場合、その持分は最終的にほかの共有者に帰属することがあります(民法255条)。ただし、その前に、亡くなった人と特別に親しかった人(特別縁故者)への分与の手続きが優先されることがあり、家庭裁判所での手続きが必要になるなど、時間がかかります。
共有者が増える前にやっておきたいこと
1. 持分をまとめる話し合いを早めに
共有者が少ないうちに、誰か一人に持分をまとめる、または家ごと売るという話し合いをしておくのが理想です。
2. 亡くなった兄弟の相続人と、早めに連絡を取る
すでに相続が起きた場合は、兄弟の相続人と連絡を取り、実家をどうするかの意向を確認しましょう。相手も「知らない実家の持分を相続して困っている」ことが多く、買い取りの提案に応じてもらえることもあります。
3. 自分の持分だけでも手放す
話がまとまらない場合は、自分の持分だけを売って共有から抜ける方法もあります。ほかの共有者の同意は不要です。詳しくは自分の共有持分だけを売る方法をご覧ください。
4. 連絡が取れない共有者がいる場合
2023年4月の民法改正で、裁判所の手続きを経て、所在の分からない共有者の持分を取得したり、その持分を含めて売却したりできる制度ができました(民法262条の2、262条の3)。司法書士や弁護士に相談して進めるのが現実的です。
まとめ
- 共有者が亡くなると、持分はその人の家族に相続され、共有者が増える
- 増えるほど話がまとまりにくくなるので、早めに動く
- まとまらなければ、自分の持分だけを売る選択肢もある
どの方法が合うか迷ったら、無料診断で目安を確認できます。
参考にした公的情報
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の事情に対する法律・税務上の助言ではありません。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は記事内の公的機関のページでご確認ください。