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兄弟が実家の売却に反対しているときの5つの選択肢

公開 2026年9月27日 / 実家の手放し方ガイド編集部

兄弟と共有している実家は、家全体を売るには共有者全員の同意が必要です。ひとりが反対しているだけで、仲介での売却は止まってしまいます。

ただし、打つ手がないわけではありません。穏やかな方法から順に、5つの選択肢を紹介します。

なぜ全員の同意が必要なのか

民法では、共有している物に「変更」を加えるには、他の共有者全員の同意が必要とされています(民法251条)。家全体を売ることはこの「変更」にあたるため、持分が大きい人でも単独では売れません。

一方で、自分の持分だけを売ることは、他の共有者の同意がなくてもできます。 この違いが、後で紹介する選択肢のカギになります。

遺産分割がまだ終わっていない場合は、「相続人全員で遺産を共有している」状態です。この場合はまず遺産分割(話し合い、または家庭裁判所の調停)で、誰が実家を相続するかを決めるのが基本の流れになります。

選択肢1:反対の理由を聞いて、条件を調整する

反対する理由は、たいてい次のどれかです。

  • 思い出のある家を手放したくない
  • もっと高く売れるはずだと思っている
  • 自分が住みたい、または将来使いたい
  • 売った後の分け方に不満がある

「高く売れるはず」が理由なら、複数の不動産会社の査定額を並べて見せるだけで話が進むことがあります。感情の問題と、お金の問題を分けて話すのがコツです。

選択肢2:反対している兄弟に持分を買い取ってもらう

実家を残したい兄弟がいるなら、その人にあなたの持分を買い取ってもらう方法があります。家は残り、あなたは現金を受け取れるので、双方の希望がかないやすい方法です。

価格は、不動産会社の査定額に持分の割合を掛けた金額を目安に話し合うのが一般的です。

選択肢3:あなたが兄弟の持分を買い取る

逆に、あなたが兄弟の持分を買い取って単独名義にすれば、その後は自分の判断で売れます。資金が必要ですが、売却後に回収できる見込みがあるなら現実的な方法です。

選択肢4:自分の持分だけを売る

話し合いがまとまらない場合でも、自分の持分だけなら単独で売れます。買い手は主に共有持分を専門に扱う買取業者です。

ただし、持分だけを買っても自由に使えないため、価格は「家全体の価格×持分割合」より大きく下がるのが普通です。また、兄弟にとっては知らない会社と共有することになるため、関係が悪化するおそれもあります。売る前に、一度は兄弟に「持分を買い取らないか」と声をかけておくのがおすすめです。

詳しくは共有持分の売り方と注意点をご覧ください。

選択肢5:共有物分割請求をする

共有者は、いつでも共有状態の解消(分割)を求めることができます(民法256条)。話し合いで決まらなければ、裁判所に分割を請求できます(民法258条)。

裁判では、家を誰かが取得して他の人にお金を払う方法や、競売にかけて代金を分ける方法などが命じられます。時間と費用がかかり、競売では価格が下がりやすいため、最終手段と考えておきましょう。弁護士への相談が必要になります。

共有者の一部と連絡が取れない場合

「反対」ではなく、そもそも連絡が取れない共有者がいる場合は、2023年4月の民法改正で使えるようになった制度があります。裁判所の決定を得て、所在が分からない共有者の持分を取得したり、その持分を含めて売却したりできる仕組みです(民法262条の2、262条の3)。手続きには司法書士や弁護士の力を借りるのが現実的です。

まとめ:まずは「持分の価値」を知ることから

どの選択肢を取るにしても、話し合いの材料になるのは「家全体でいくらか」「持分ならいくらか」という数字です。家全体の査定は不動産会社に、持分の査定は共有持分を扱う買取業者に依頼できます。

自分の状況にどの出口が合うか分からない場合は、無料診断で目安を確認できます。

参考にした公的情報

この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の事情に対する法律・税務上の助言ではありません。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は記事内の公的機関のページでご確認ください。